ユニキャスト/マルチキャスト リダイレクト

VMSは一般にクライアントサーバーモデルと言われています。

 

クライアントはサーバーに種々の処理要求をだして結果をサーバーから受け取ります。

 

監視カメラの世界ではサーバーにはもう一つ大事な仕事があります。

監視カメラの管理を実施します。

 

本来的にはクライアントは監視カメラを物理的に意識する必要はなくなります。

 

 

驚いた事に殆どの国内製のVMSは上記が実現されていません。

 

クライアント一台で、カメラから二つのストリームが流れます。

1) 録画用のストリーム

2) クライアント用のストリーム

 

 

 

クライアント三台で、カメラから四つのストリームが流れます。

 

 

複数のストリームはカメラの仕様により同時配信数の制限で規定されます。

この規定まで保証されると言うより、同時配信数が増えると想定外の劣化トラブルに悩まされます。

 

これではとてもクライアントサーバーではありません。

今時分は数万円のNVRでもリダイレクトが当たり前です。

カメラからのストリーム、如何なる条件下でも一本でOK

 

これがGenetecが1997年にOmnicastをリリースしてから変わらない基本中の基本設計です。

 

日本のVMSでは元々がHttpですから、リダイレクトするとサーバーの負荷が一気に上がり破たんするかもしれません。

 

欧米のVMSはRTPSが基本ですから、リダイレクトして複数ストリームを流す事はそれほど負荷のかかる事ではありません。

 

Unicast / Multicast のリダイレクト

 

RTSPはTCPでコントロールされストリームはRTPで配信されます。 このRTPはカメラメーカーがunicastとmulticastをサポートしています。

 

multicastは取り扱いが難しいですが、カメラ、サーバー、クライアントが共有参照する為ネットワーク負荷が大変軽くなります。

しかし、エッジデバイスであるカメラに使用されるネットワーク環境は様々であり、multicastでは殆どの場合使いづらくなります。

 

そこで、サーバーがカメラからのストリームをmulticastに変換する機能を "Multicast by Archiver"と読んでいます。

リダイレクトは小規模であっても、大規模であっても必須の機能です。

 

誠におかしな話ですが、システムのサイズがカメラの同時配信能力に依存していると言うことです。

 

もっとも致命的なのは録画品質が負荷変動で簡単に影響を受けてしまいます。